和歌山県
和歌山県 | 和歌山市 | 伊都郡高野町 | |
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面積 | 4,700㎢ 【30位】 |
208㎢ | 137㎢ |
人口 | 913,000人 【40位】 |
352,000人 | 2,800人 |
人口密度 | 193人/㎢ 【29位】 |
1,687人/㎢ | 20人/㎢ |
- 高野山
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八葉の峰(今来峰、宝珠峰、鉢状山、弁天岳、姑射山、転軸山、楊柳山、摩尼山)に囲まれた「蓮の花が開いたような」盆地。
ゆえに、仏教の聖地としては両界曼荼羅のうち胎蔵曼荼羅の「中台八葉院」に擬せられている。
奈良時代、仏教僧(特に浄土宗)が力を付けすぎた為、794年に平安京遷都。
桓武天皇は新たに2つの新宗派(真言宗と天台宗)を支援。
空海は803年に真言密教を学ぶために唐へ渡り、2年間の留学を経て帰国。
816年、嵯峨天皇から高野山を与えられた。
15世紀に高野山は最盛期を誇り、90,000の僧と15,000もの僧院があった。
当時の僧は兵士として戦いにも参加した。
徳川治世の17世紀に領地を没収され、高野山は衰退し始めた。
現在、高野山には約100の僧院があり、その内の30が宿坊を兼ねている。
2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産登録。
- 金剛峯寺
- 高野山真言宗総本山。
- 正門
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金剛峯寺の建物の中で最も古く、1593年に再建されて以来、今日に至る。
右側に小さなくぐり戸があり、一般の僧はここから出入りする。
昔は門を正面から出入りできるのは天皇や皇族、高野山の重職だけだった。 - 天水桶
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金剛峯寺の屋根は檜(ヒノキ)の皮を何枚も重ねた檜皮葺(ひわだぶき)。
その屋根の上に天水桶が置かれている。
これは、雨水を溜めておき、火災が起きた時に桶の水を屋根に撒いて火災を防ぐため。 - 経蔵
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門をくぐって左手に見えるのが経蔵。
1679年に大阪天満宮から寄進。
重要なものを収蔵する所で、火災が発生しても安全なように、主殿とは別に建てられている。 - 鐘楼
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門をくぐって右手に見えるのが鐘楼。
金剛峯寺の前身である青巌寺(せいがんじ)の鐘楼。
1860年の大火で類焼。
1864年に再建。桁行(けたゆき)三間(約5.4m)、梁行(はりゆき)二間(約3.6m)、袴腰付入母屋造(はかまごしつきいりもやづくり)。 - 大玄関と小玄関
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鐘楼を見て振り返ると、囲いがされた金剛峯寺の表玄関にあたる大玄関が見える。
ここは正門同様、天皇皇族や高野山重職のみ出入り可。
もうひとつの小玄関は上位の僧の出入り可。
一般の僧は裏口から出入りしていた。
現在は一般参詣入口から出入り。 - 壇上伽藍
- 大日如来が創造した胎蔵、金剛の両界曼荼羅という世界観を、空海が独自の発想で具現化したもの。
- 金堂
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推定819年創建。
再建多。
高野山で最古の歴史を持つ建造物。
空海はまず金堂の造営を行い、諸事を全て金堂で行った。
幾度となく火災に見舞われ、その度に再建を繰り返し、現在は1934年に再建された鉄筋コンクリート製の建物。
堂内に安置されていた7体の仏像が全て焼失。
本尊以外の6体は写真が残っていた為、修復できたが、本尊に対する手がかりは無く、修復に至らなかった。 - 東塔(とうとう)
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1127年創建。
1984年再建。
二重多宝塔。本尊は「尊勝仏頂尊」で、両脇に「不動明王」と「降三世明王」が祀られている。
この「降三世明王」は、「過去、未来、現在」において三毒(=貪欲、忿怒、無知)を統べる明王とされている。
その姿は、ヒンドゥー教の最高神「シヴァ神」と、その妻である「パールヴァティー」を踏みつけている立像。
大日如来はヒンドゥー教の未来を案じていた。
→そこでヒンドゥー教を救済すべく降三世明王を最高神「シヴァ神」とその妻「パールヴァティー」のもとへ送る。
→降三世明王はこの2神を調伏する。
降三世明王は金剛界五仏(五大明王)の中で東を守護する明王。 - 金剛界五仏(五大明王)
- 東...降三世明王(=阿閦如来/あしゅくにょらい)
- 西...大威徳明王
- 南...軍荼利明王
- 北...金剛夜叉明王
- 中央...不動明王(=大日如来)
- 三昧堂
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929年創建。
1816年再建。
方形造り。
本尊は金剛界大日如来。
理趣三昧という真言密教特有の儀式が行われていた御堂。
仏教における欲望への向き合い方について言及。
欲望の本質を見極めるためには、主観を交えずに対象のあるがままの姿を眺めることの大切さを説く。 - 大会堂(だいえどう)
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1175年創建。
1843年再建。
本尊は阿弥陀如来。
壇上伽藍にて大法会が催される時に大人数を収容できる集会所として使われた。
1175年に鳥羽法皇の皇女(娘)の発願で、父親である鳥羽天皇をお祀りする為に造営された。
本尊の阿弥陀如来の脇に「勢至菩薩(せいしぼさつ)」と「観世音菩薩」が祀られている。
勢至菩薩は知恵を司る仏様で、知恵を用いて衆生を救済する。
観世音菩薩は現世利益と呼ばれる厄災や煩悩を払ってくれる仏様。 - 不動堂
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1198年創建。
1834年再建(以降度々修繕)。
本尊は不動明王。
建立された目的が一切不明。
縋破風造り(すがるはふつくり)と呼ばれる屋根。