宗教
目次
統計
- 仏教と神道
-
日本において仏教徒84 millionsに対し神道は88 millionsの計172 millionsと、日本の総人口125 millionsを超える。
理由は、檀家であり氏子である家が多く、両宗教の区別をしていない。 - Q.宗教を信じていますか?
Vous croyez à une religion? -
A.信じている26% / 信じていない72%
つまり、宗教団体に属していても「宗教を信じていない人」が多い。
それは、「宗教」という言葉に対する認識が人によって異なる。 - 理由①
- 自分はきちんと宗教のことを知っているわけではない。
- 理由②
- 新興宗教信者からの勧誘によるマイナスイメージがある。
- Q.自然の中に人智を越えた何かを感じるか?
- 感じる人56%
- 自分の先祖を敬う気持ちはあるか?
- ある人94%
仏式葬儀を選んだ人は87%
- 無神論者...athée
- 不可知論者...agnostique
- 仏教...Le bouddhisme
- 神道...Le shinto/shintoïsme
- 道教...Le taoïsme
- 儒教...Le confucianisme
- イスラム教...L'islam
- イスラム教徒...Le musulman(e)
- キリスト教...Le christianisme
- ヒンズー教...L'hindouisme(m.)
- バラモン教...Le brahmanisme
神道
- 神道とは
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開祖(fondateur)や経典(le livre sacré)を持たず、森羅万象(tous les être de l'univers)に神が宿るアニミズム的、祖霊崇拝的な民族宗教。
神社には御神体が祀られており、これは姿を持たない神が祭りなどで現世にやって来た時、一時的に宿る依代。
御神体は、神聖である為普通は見えない。
山自体がご神体の場合、奥宮は禁足地の場合もある。
- 神社本庁
L'association des sanctuaires shinto -
戦後の政教分離により、1946年に設立された民間の宗教法人(Une personne morale religieuse privée)で、明治神宮北参道鳥居横に本部がある。
約80,000社ある日本の神社のうち、79,000社以上が加盟している。
各都道府県に1箇所ずつ神社庁があり、組合のような役割を担う。
- 神社の数
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日本全国に81,000社ある。
寺は77,000箇所。
社号は終戦後の民営化に伴い、自由に名乗ることができる。 - 新潟に神社が多い理由
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①明治時代に日本一の人口を誇る
当時全人口の5%に当たる1,800,000人を擁した。
これは、東京や大阪よりも多く、当時日本人の9割が農業を生業としていた時代に米の収穫量が多い新潟に人口が集中したため。
ちなみに、2024年時点での新潟の米生産量は日本一で年間591,700t
②明治期以降に押し進められた神仏統廃合の影響が少なかった。
種類 | 数 | 総本社 | 御利益 |
---|---|---|---|
神宮 | 24社 | 伊勢神宮 | |
八幡宮 | 44,000社 | 宇佐八幡宮 | 武術・勝負 |
稲荷 | 32,000社 | 伏見稲荷大社 | 農耕 |
天満宮 | 12,000社 | 太宰府天満宮 | 学問・芸術 |
県名 | 神社数 |
---|---|
新潟 | 4,933 |
兵庫 | 4,243 |
愛知 | 3,885 |
福岡 | 3,806 |
岐阜 | 3,440 |
千葉 | 3,391 |
福島 | 3,170 |
静岡 | 3,070 |
広島 | 2,902 |
京都 | 2,048 |
東京 | 1,866 |
大阪 | 1,198 |
沖縄 | 22 |
鳥居
- 概要
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神域と俗界の境界。
語源は天岩戸に隠れてしまったアマテラスを誘い出すため、鶏を木に止まらせて鳴かせた説。
「鳥が居た木」から転じて「鳥居」となった。 - 明神鳥居
-
笠木の両端が空へ向かって反り上がっていて、その下に島木を重ねているのが特徴。
明治神宮、神田明神 - 稲荷鳥居、台輪鳥居
-
明神鳥居に似ていて、柱の上端に台輪があるのが特徴。
伏見稲荷大社 - 神明鳥居
-
2本の地面に垂直な柱に丸材の笠木と貫は板材で貫通しない。
笠木下に島木は無い。
東京大神宮
- 狐と神社の関係
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神道では山自体が神であり、木々や石、生息する動物も神。
稲作が盛んな日本において、稲(un épi de riz)を食料とするネズミの天敵である狐を神の遣い(envoyé divin)として重んじ、祠を作り、狐の好物である油揚げ(la friture de tofu)を供えて敬った。
※狐の好物は「ネズミの油揚げ」だが、殺生禁止の世の中で代用として豆腐を揚げたものを用意したことに起因。
その後、仏教伝来と同時に中国における狐の特徴である妖怪変化が要素として加わった。
- 注連縄
-
神道における神祭具。
神域と現世を隔てる結界の役割を持つ。
また、神社や神体を縄で囲い、その中を神域としたり、厄や禍を祓ったりする意味もある。
山の大岩、湧水地、巨木、岩礁、玄関、車、横綱も注連縄。
天照大神が天岩戸から出た際、二度と天岩戸に入れないよう太玉命が注連縄で戸を塞いだのが起源。
縄の材料は刈り取って干した稲藁又は麻であり、稲作文化との関連の深い風習で、稲作信仰が伺える。
- 紙垂(しで)
- 落雷があると稲が育ち豊作→雷光・稲妻をイメージし、邪悪なものを追い払う。
- 三種の神器
- 天皇の項参照
絵馬
- 概要
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個人で奉納する為の絵馬として、小型で馬などの絵が描かれて余白や裏面に祈願の内容や氏名などを書くものが、社寺で販売されている。
大人数で奉納する絵馬は、大型で、画家に描かせるなどして奉納者が用意することもある。
小型の物について、関東は五角形(家形)の物が多いが、これはかつて、板の上に屋根を付けていたなごりである。
絵馬の奉納は個人的な動機による神仏への願掛けであり、かつては人に見られない時間帯を選んで行われた。
また、今日のように絵馬に実名を記すことはなく、「寅歳女」のように産まれた干支と性別のみを記した。 - 歴史
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昔神々は騎乗した姿で現れ、神輿の登場(749年)以前は移動に馬が必須。
神社に神の乗り物としての馬、神馬を奉納した。
馬を奉納できない者は木や紙、土で作った馬で代用するようになり、奈良時代からは板に描いた馬の絵が見られるようになった。
平安時代には神仏習合思想が普及し、観世音菩薩も騎乗して示現するという説が広まることで神社だけでなく寺にも絵馬を納める風習が及んだ。
平安末期の絵馬は共同体が合同で小型の絵馬を納めることが主流だった。
室町時代になると扁額(へんがく)式の大絵馬が現れ始める。
モチーフも馬だけでなく様々な絵が描かれるようになった。
初期の例として、例えば狐を遣いとする稲荷神社では狐の絵が描かれることもある。
また他にも、三十六歌仙の肖像や武者絵、祈願の対象である文殊菩薩を描いた例などがある。
この時代の小型絵馬は、今日同様に現世利益を求めて個人が納めることが主流となっている。
安土桃山時代になると、狩野派や長谷川派、海北派などの著名な絵師による本格的な絵馬が人気となり、それらを展示する絵馬堂も建てられた。
絵馬堂は今日の美術館のような役割を果たし、絵師たちが技を競うとともに、展示される絵のイメージが人々に共有されるなど、新たな作品を生む原動力をもたらす場であった。
江戸時代ごろから、家内安全や商売繁盛といった実利的な願いをする風習が庶民にも広まり、奉納の動機や絵馬のデザインも多様になった。
明治時代以降、多人数で奉納する大型の絵馬について、「伊勢神宮参拝紀念」「戦勝祈念」(明治時代~敗戦まで)「厄除け祈願」「子供(特に男子)の誕生日を記念して」「干支」など様々なバリエーションが生まれた。
昭和以降は、学問の神として菅原道真を祀った天満宮(福岡県太宰府市など)に受験生が合格祈願の絵馬を奉納する風習が盛んになった。
白蛇など縁起物の動物や、祭りの風景など馬とは関係ない絵馬も多く作られ、社寺の縁起物として、また、お守りとしても人気を博している。
- 直会(なおらい)
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神社における祭祀の最後に、神霊が召し上がったものを戴くことにより、神霊との結びつきを強くし、神霊の力を分けてもらい、その加護を期待するというもの。
神社によっては直会での料理は郷土料理と同一の場合がある。
- 神話に登場する神
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「古事記」「日本書紀」に登場するアマテラスやスサノオといった総勢327柱の神々。
自然現象を神格化した神...古代の人々は自然災害などを神の怒りとして捉え、神々の怒りを沈め、難を逃れようとした。
人を神格化した神...英雄や偉人など、古くは怨みを鎮める為に祀られた。
また、神様の名前が長い理由は、名前にその神が持つ役割が入っている為。
「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)」
神職者
袴の色 | ||
---|---|---|
階級 | 色 | 備考 |
特級 | 白色の袴に一級よりも大きな白の文様 | 伊勢神宮のトップである大宮司や神社本庁のトップである統理など |
一級 | 紫色の袴に白色の文様 | 一級神職は全体の約1%程度の200人 |
二級上 | 紫色の袴に八藤丸という文様 | ベテラン宮司クラス |
二級 | 紫 | いわゆる中堅神職 |
三級、四級 | 浅葱色、薄い藍色 | 経験の浅い神職者 |
研修生 | 松葉色 | 研修中の神職者 |
神葬祭 | 鈍色 | 身分問わず、神葬祭時に着用 |
巫女 | 緋色 | 厳密には神職ではない巫女の袴 |
- 神主と宮司の違い
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神主とは神職者全体を指す言葉であり、役職ではない。
宮司は神社の最高責任者。
- 職階
- 神社ごとに設けられている神職の役職
- 宮司...各神社に一人だけいる代表役員。会社に例えると社長。
- 権宮司...宮司と禰宜の間に置かれる役職。会社に例えると副社長。
- 禰宜(ねぎ)...役員ではない神職を指す。会社に例えると部長。
- 権禰宜...禰宜の下に置かれる役職。会社に例えると課長や係長。
七福神
- 恵比寿天
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七福神唯一日本の神様。
イザナミ、イザナギの子である大国主神の子。
「大漁追福」「商売繁盛」「五穀豊穣」の神。
右手に釣竿、左手に鯛を抱える。 - 大黒天
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インドのヒンドゥー教(L'hindouisme)のシヴァ(Shiva)神の化身マハーカーラ(Mahakala)神。
日本古来の大国主命の習合。
故に恵比寿様の父。
大地を掌握する食物や農業の神様。
大黒頭巾(Le capuchon)をかぶり、大袋を背負い、小槌(le maillet)を持ち、米俵(le sac à riz en paille)の上に座る。 - 毘沙門天
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元はインドのヒンドゥー教(L'hindouisme)のクベーラ(Kubera)神。
戦いの神でああり、福徳増進の神として信仰。
四天王の一仏で、別名「多聞天」「北方天」といい、七福神の中で唯一武将の姿をしていて、右手に宝棒(la massue)、左手に宝塔(une petite tour bouddhique)を持つ。 - 弁財天
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元はインドのヒンドゥー教(L'hindouisme)の女神(La déesse)であるサラスヴァティー(Sarasvati)神。
仏教に取り入れられ、音楽(la musique)・弁才(l'art)・財福・知恵(intelligence)の天女となり選ばれた。
七福神唯一の女神。
宝冠(la couronne)を被り、琵琶(le luth)をひく。 - 福禄寿
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道教(le taoïsme)の道士または道教の神の化身。
長寿と福禄の神。
短身、長頭、大きな耳たぶ(le lobe de l'oreille)、経巻を巻いた杖(la canne)を持ち、鶴を従えてる。 - 寿老人
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道教(le taoïsme)の神。
白鬚明神とされることもある。
福禄寿と同一視されることもある。
長寿延命、富貴長寿の神として信仰されている。
不死の霊薬を含んだ瓢箪(la calebasse)、難を払う団扇(éventail)、長寿のシンボルである桃を持ち、長寿と自然の調和を意味する牡鹿(cerf)を従えている。 - 布袋尊
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唐代に実在した仏教の禅僧。
弥勒菩薩の化身。
笑顔を絶やさず、大きな袋には信仰心の厚い人たちに与えられた宝物が入っている。
Il a toujours le sourire aux lèvres.
笑門来福、夫婦円満、子宝の神。
- 二礼二拍手一礼
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1875年頃発祥。
二礼で「敬意」と「感謝」を表す。
二拍手で「邪気を払い」「自分の来訪を伝える」
この時、右手を下げて柏手を打つ。
理由は、神と人がまだ一体になっていないことを表し、柏手を打つことで神を招き、掌を合わせることで神人が一体となる。
- 茅の輪くぐり
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茅や藁の輪。
6月の夏越の節句として神社に設る。
心身を清め災いを避ける。
広島県東部で暮らしていた蘇民将来が旅中の須佐之男命を貧しいながらも喜んでもてなした。
その恩返しとして「疫病を逃れる為に茅の輪を腰に付けよ」と教えた。
仏教
釈迦
- 生涯
-
釈迦生誕は紀元前565年、悟りを開いたのが紀元前531年(35歳)、入滅が紀元前486年。
紀元前5世紀(en 5 avant Jésus-Christ)、ヒマラヤ山脈の麓(au bas d'Himalaya)、カピラヴァストゥにシャーキャ族の王子として誕生。
産まれてすぐに母は亡くなり、叔母(la tante)に育てられる。
豪華な宮殿(le palais)で何不自由ない恵まれた生活を送った。
一方、繊細で感受性が強い性格(sensible)で、「人間はなぜ苦しみから逃れられないのだろう」という思いが幼い頃から芽生える。
ある日、シッダールタは宮殿の外へ出て、老人や病人(le malade)、修行者に出会う。
「人間は老いや病気、死は避けられない」と知り、29歳で出家。
シッダールタは北東インドにあるマガダ国に行き、2人の師について修行したが、そこでは求める答えを得られず、師の元を離れ、5人の修行者と一緒に苦行を開始。
断食をするなどの厳しい苦行を6年間行った。
しかし、シッダールタはまだ人生の真理を見つけることが出来ない。
「苦行では、自分の求めるものは得られない」と知った彼は35歳の時に仲間と別れ、少女の供養した粥(la bouillie de riz)を受けた後、菩提樹のもと(au bas du tilleul)で深い瞑想に入る。
煩悩が悪魔として現れ、瞑想の邪魔をするが、それでも彼は深い瞑想を継続。
そして明け方、シッダールタは心の迷いから抜け出て人生の真理を悟る。
こうしてシッダールタは「ブッダ(=目覚めた人)」となった。
悟りを得たブッダのもとへブラフマンという神様が現れ、「あなたの悟りを人々に伝えてください」と言った。
彼はまず、かつて一緒に修行した5人の仲間がいるサールナートを訪れ、教えを説いた。
そこからさらに旅を続け、弟子も増え、やがて仏教教団ができた。
悟りを開いてから45年、ブッダ80歳の旅の途中で体調不良。
死期を悟ったブッダはクシナガラという村に到着すると、2本のシャーラ樹の間に横たわり、悲しむ弟子たちに
「すべてのものは無常(la mutabilité)であり、常に変化しているのです。これからも気を抜かず修行に努めなさい」
と語りかけ、生涯を閉じた。
- ガウタマ・シッダールタ→悟りを開いた後→釈迦/釈尊
- ガウタマ=最も優れた牛
- シッダールタ=目的を成就した者
- 釈迦/釈尊=釈迦牟尼世尊の略
- 釈迦=シャーキャ族の漢字表記
- 牟尼=聖者
- 世尊=この世で最も尊ばれる
- 仏陀(ブッダ)=目覚めた人
- 如来=釈迦を仏として敬う呼び方
仏像の種類
- 仏陀
Bouddha - 悟りを開いた者
- 菩薩
Bodhisattva -
悟りを求め修行する者。
仏(=如来)になる一つ手前の段階だが、既に仏の資格(la qualification)を有しているので、衆生が苦悩しているのを見過ごせず(Il ne peut pas négliger la douleur de gens)、その救済を優先している。
Donc il donne la priorité aux secours.
故に菩薩は慈悲深く(charitalbe)尊い(respectalbe)。 - 明王
Vidyaraja -
密教で衆生を救済する時、大日如来が様々な姿となって現れたもの。
その上、普通の教え方では救われない人々を対象とする為、憤怒の形相。
密教世界独自の仏なので、大日如来を頂点とする仏教世界にのみ存在。 - 天部
Deva -
六道のうち天道に住まう仏教の守護神。
故に如来や菩薩よりも地位は低い。
元々はインド神話の神々(バラモン教(la brahmanisme)やヒンドゥー教(l'hindouisme))だったが、仏の教えに従うようになり守護神となった。
- 日本における仏教史
- 6世紀に仏教伝来
- 国家を支える上層階級を守るためのもので、寺は経典の翻訳や研究をする学問所
- 平安時代中期に踊念仏の僧空也により、僧が一般の人々(庶民)に少し身近な存在になる
- 鎌倉時代に入り、漁業や狩猟という殺生をせざるを得ない生業の人々に浸透
- 江戸時代、一般の人々にとって身近な存在になる
-
仏教伝来時期は552年説と538年説。
当時朝鮮半島の百済(Baekje)は新羅(Silla)から侵攻を受けており、ヤマト政権に助けを求め、軍事援助を行った。
Pendant la guerre entre deux royaumes.
この見返りとして(en contrepartie de notre aide)、百済の聖明王から金銅の仏像と経典が献上される(仏教伝来)。
仏教受け入れを巡って、賛成派の蘇我氏と反対派の物部氏が対立。
→587年、蘇我氏が物部氏を滅ぼす。
仏教受け入れのメリット...大陸の先進文化(思想・建築・工芸)を取り入れ、鎮護国家の教えによるヤマト政権の精神的な統一。
僧は悟りを開く修行(六波羅蜜)を実践する一方で、「五明」という学問を収めなければならなかった。- 声明(文法・文学)
- 工功明(工学・数学・暦学)
- 医方明(医学)
- 因明(論理学)
- 内明(教養学・哲学)
コンピュータのない時代に建てられた五重塔は優れた耐震構造をもっている。
そこから学んだ耐震構造を現代人はコンピュータで計算し、高層建築に応用している。
奈良時代、南都六宗(三論宗、成実宗、法相宗、俱舎宗、律宗、華厳宗)が成立。
758年、東大寺大仏殿建立。
本地垂迹説(日本の神々は仏の化身した姿)→神仏習合 - 神仏習合
Le syncrétisme -
仏教伝来時、欽明天皇は仏像の見事さに感銘し、臣下に仏教に帰依すべきか尋ねた。
Il a demandé aux vassaux à accepter le bouddhisme ou pas.
蘇我氏は「西国では皆が帰依しており日本だけが背くことはできない」
物部氏は「日本には天地に数多の神々がおり仏を拝めば神の怒りに触れる」
On s'est attiré sa colère. -
寺院群が政治に口を出し始めた為、桓武天皇が平安京に遷都し、彼らの影響力弱化を図る。
空海と最澄を遣唐使と共に中国に送り、密教(le bouddhisme ésotérique)を学ばせ、新しい仏教をもって奈良の旧仏教に対抗させようとした。
最澄には比叡山(天台宗)、空海には高野山(真言宗)を与え、密教を広めさせた(propager)。
平安時代の末法思想や鎌倉時代の動乱で、これまでは国家や貴族の為の仏教が民衆へと向けられるようになった→鎌倉仏教。
鎌倉時代は武士が貴族から権力を奪い、力を付けた時代。
室町時代に政治的中心地が京都に移り、京都五山が成立。
戦国時代、宗教勢力も武力を強め、宗教戦争(la guerre de religion)勃発。
織田信長が実力対抗してくる宗教勢力を徹底的に討伐。
信長死後、豊臣秀吉による刀狩で寺社の武装解除。
江戸時代、徳川家康により寺請制度が施行され、キリシタンではないことを証明するとともに、人々をいずれかの寺院に登録させ、布教活動を封じた。
徳川幕府は寺や僧に対し、これまでの「圧迫」ではなく「取り込む」画策をする。- 寺請制度...全国の寺を保護、しかし布教の自由は認めない。
- 檀家制度...どの家もいずれかの寺の檀家となることを義務付ける。
「僧は時代の知識人であるが、その能力を寺請制度や葬式にしか発揮できない。」
「一方町人は貨幣経済の発展で経済力をつけている。」
「となれば、寺子屋を始めるしかない!!」
寺子屋のおかげで当時日本人の識字率は世界でも高いレベルだった。 - 大政奉還により天皇に政権が返上
- 新政府の神道重視政策
- 廃仏毀釈(1868~1876)
- 寺院数減少
-
信仰心の篤かった聖武天皇以降、天皇家の葬儀は仏教による大喪が通例となった。
退位後に出家し、自ら僧侶となる天皇も多かった。
1868年、明治政府が「神仏判然令」を公布し、終止符。 - 神仏分離
-
明治維新の際、薩長中心の武力討幕派は孝明天皇の第二皇子で16歳の睦仁(後の明治天皇)親王を擁立して皇位につけようとした。
それに対して討幕派の多藩は「薩長は天皇に政権を移さず、“薩長幕府”を作るのでは?」と危惧し、明治新政府は若い天皇の権威を示すため、天皇を神のような絶対者に位置付けようとした。
そして天皇を「現人神」として祭り、「国家神道」が誕生し、「王政復古」の大号令が発せられた。
しかし、天皇を「現人神」としたために、一般の人々の神仏信仰が損なわれた。
なぜなら、これまで「神仏」は日常生活の不安を解消してくれる「絶対者」だったが、その「神仏=絶対者」の上に「現人神=天皇」が立つことになる。
神は仏の生まれ変わりと考えられていた当時、現人神の上に建つ絶対者(仏)が存在し、天皇は絶対者と言えなくなる。
というわけで、神=仏の図式は都合が悪いので1868年3月に「神仏分離令」を発布。
神と仏が切り離されると、全国各地で廃仏毀釈の運動が起こる。
原因は、当時神社と寺は一体化しており、そこには神職者と彼らより高い地位の社僧がいた。
社僧は神社の管理、経営権を持ち、神職者の支配も行っていた。
そこで、神仏分離が行われ、神と仏が分かれると、社僧に対する不平不満をもった神職者たちが彼ら社僧たちの追放や寺の破壊を行った。
これが「廃仏毀釈」
各時代毎の仏教の特徴
- 飛鳥時代
592年~710年 -
仏教伝来。
神道との違いに衝撃。
賛成派と反対派が対立。
アルカイックスマイル。
左右対称。
本格的な伽藍を備えた日本最初の仏教寺院である飛鳥寺(法興寺)創建。 - 奈良時代
710年~794年 -
聖武天皇をはじめ、国家宗教としての色濃く、国分寺や国分尼寺や東大寺の建立。
南都六宗。
豪華絢爛な天平文化。
知的エリートたちによる学問としての仏教が主。 - 平安時代
794年~1185年 -
真言宗と天台宗に代表される山岳仏教の発展。
都市間に興り、政治に大きく関わり過ぎた奈良仏教を排斥する。
貴族中心の仏教。 - 鎌倉時代
1185年~1333年 -
平安時代末期の末法思想で荒んだ世の中において、厳しい戒律や学問や寄進を必要とせず、ただ信仰によってのみ救われるという思想が誕生。
この時代に民衆へと普及。
元寇の勝利は「神風」→仏より神が優位に→神道が形を成す。 - 室町時代
1336年~1573年 -
仏教の無神論化が進む。
僧兵が蔓延り、織田信長が比叡山延暦寺を焼き払ったように、権力者によって仏教寺院が弾圧される時代。 - 江戸時代
1603年~1868年 -
これまでの時代とは異なり、平和な世の中になり、人々が救済を求めることが少なくなった。
江戸時代の仏教に求められたのは葬式と庶民の管理。
主に檀家制度はこの時代に流行った。 - 明治時代
1868年~1912年 -
神道国教化。
廃仏毀釈(1868~1876)。
大乗仏教と小乗仏教
- 小乗仏教
-
小さな乗り物(le petit véhicule)の意。
自身が悟りをひらくまでは他者を救おうとしない。
自分1人用の小さな乗り物。
また、自分が幸せでないのに他者を幸せにはできないという考え方。
悟りをひらいた者は阿羅漢(※1arhat)になれる。
八正道
※1阿羅漢(arhat)...Le dernier échelon de la saggesse - 大乗仏教
-
大きな乗り物(le grand véhicule)の意。
自身と同時に他者も救う。
全ての人の幸せを願う。
悟りをひらいた者は仏になれる。
六波羅蜜 -
仏陀の教えは「全ての人を幸せにする」事。
しかし小乗仏教的な「まず自分が幸せになる」という考えは理解しやすい。
故に、仏陀の教えを聞き誤った結果、小乗仏教が生まれた。
小乗仏教 | 大乗仏教 | |
---|---|---|
別称 | 上座部仏教 南伝仏教 |
北伝仏教 |
国 |
タイ ミャンマー (La Birmanie) カンボジア (Le Cambodge) ラオス (Le Laos) スリランカ (Le Sri Lanka) 等 |
日本 韓国 中国 インド チベット(Le Tibet) モンゴル(La Mongolie) 等 |
経典 | パーリ仏典 | サンスクリットを翻訳した仏典 |
涅槃 | 阿羅漢 | 仏覚 |
修行中 | 自分の修行優先 | 他人を幸せにするままが自分も幸せに近づく |
救われた後 | 他人を幸せにしようとする | |
死後 | 消滅する | 苦しみに悩む人を救う |
大仏の種類
仏像 | 画像 | 解説 | 代表 |
---|---|---|---|
如来 Bouddha |
仏教の目標である「悟りを開いた状態」にある仏の中で最も位が高い。 悟りを開いている為欲が無く、衣をまとっただけの質素な姿。 装飾品は基本的に無い。 螺髪と白毫。 仏像の本家で、開祖釈迦の姿が基本なので男。 |
釈迦如来 大日如来 薬師如来 |
|
菩薩 Boudhisattvas |
悟りを開く為に修行しながら人々を救済する。 まだ悟りを開いていない為、欲を完全に断ち切れておらず、首飾りや耳飾りなどを身につけ、服装が豪華だったりもする。 地蔵菩薩はあの世とこの世を行き来できる唯一の存在。 |
弥勒菩薩 地蔵菩薩 文殊菩薩 |
|
明王 Vidyaraja |
大日如来の教えに従わない者を厳しく説き伏せ救済する。 忿怒の形相。 目や手が多く、武装している。 |
不動明王 愛染明王 降三世明王 |
|
天部 Deva |
仏教以外の神が仏教に取り入れられて、如来・菩薩・明王を仏敵から守る守護神。 仏教の世界に煩悩が入り込むのを防いだり、悟りを開こうと修行する者を守ったり、敵から仏教を守るガードマン。 守護者として鎧の着用や、剣などで武装している。 |
帝釈天 毘沙門天 金剛力士 梵天 鬼子母神 |
- 地蔵菩薩
-
地蔵菩薩は古代インド生まれで、サンスクリット語(sanskrit)で「クシティ・ガルバ」
- クシティ...大地
- ガルバ...胎内(le ventre de la mère)
釈迦入滅後、弥勒菩薩現出までの56億7,000万年(5 milliards 670 millions ans)の仏不在の間、人間は六道を巡りながら苦しむ。
C'est une métaphore de futur tellement loin.
それらの人々を仏に変わって救うために六道を巡る存在。
地蔵経典(soutra)が日本に伝来したのが奈良時代(8世紀)。
平安末期から浄土教の発達に伴い地獄を恐れる風潮がより強まる。
お地蔵様は地獄における衆生の苦しみを救う存在として、また賽の河原において子供を守る守護役としてその存在感を示し始める。
その過程で元の菩薩の形から僧侶の姿へと変わった。
室町時代には六地蔵信仰から広がり、日本古来の道祖神とし習合して発達。
- 十一面観音
- あらゆる方向に目を向けて人々の苦しみを見逃すことなく救う。
大仏の大きさ順
名称 | 総高 (内台座) |
都道府県 | 像概要 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 牛久大仏 | 120m (20m) |
茨城 | 立外 | 世界一(ギネス記録) |
2 | 仙台大観音 | 100m (8m) |
宮城 | 立外 | |
3 | 北海道大観音 | 88m | 北海道 | 立外 | |
4 | 加賀大観音 | 73m | 石川 | 立外 | |
5 | 救世慈母大観音 | 62m | 福岡 | 立外 | |
6 | 会津慈母大観音 | 57m | 福島 | 立外 | |
7 | 東京湾観音 | 56m | 千葉 | 立外 | |
8 | 小豆島大観音 | 55m | 香川 | 立外 | |
9 | 釜石大観音 | 48.5m | 岩手 | 立外 | |
10 | 日本寺大仏 | 31m | 千葉 | 座外 | |
11 | 長浜びわこ大仏 | 28m | 滋賀 | 立外 | |
12 | 白馬大仏 | 23.5m | 新潟 | 座外 | |
13 | 昭和大仏 | 21.35m | 青森 | 座外 | 青銅坐像としては日本一 |
14 | 聚楽園大仏 | 18.79m | 愛知 | 座外 | |
15 | 布袋の大仏 | 18m | 愛知 | 座外 | 御嶽薬師堂尊 |
16 | 兵庫大仏 | 18m | 兵庫 | 座外 | |
17 | 越前大仏 | 17m | 福井 | 座内 | |
18 | 愛子大仏 | 16m | 宮城 | 座外 | あやしと読む |
19 | 東大寺盧舎那仏像 | 18m (3m) |
奈良 | 座内 | |
20 | 鎌倉大仏 | 13.35m 1.96m |
神奈川 | 座外 | |
番外 | 札幌涅槃大仏 | 全長45m | 北海道 | 寝外 | 国内最大の涅槃像 |
仏教の宗派
- 三論宗
- 成実宗
- 1.法相宗
- 倶舎宗
- 2.華厳宗
- 3.律宗
- 4.天台宗
- 5.真言宗
- 6.融通念仏宗
- 7.浄土宗
- 9.浄土真宗
- 12.時宗
- 11.日蓮宗
- 8.臨済宗
- 10.曹洞宗
- 13.黄檗宗
↓南都六宗(奈良仏教):学問仏教
↓平安仏教:生きていく上で役に立つ仏教
↓鎌倉仏教:実践の仏教として実生活に直結
↓江戸時代
- 1~13:十三宗
- 戦後、宗教団体法以前公認されていた13宗56派
- 日本には13宗56派の仏教宗派があった。
- 1940年 宗教団体法制定により、宗教団体の地位を明確化し、保護と監督を強化することで国の統制下に置く。
- 同法律により、13宗56派は28宗派にまとめられる。
- 1945年 宗教団体法廃止。国家神道ではなくなる。宗教法人令公布施行。これにより、神社を含む全ての宗教団体を対象とした法人格取得が可能になり、多数の仏教教団が分派独立し、多くの宗派が新設された。
- 1951年 宗教法人法成立を機に多少解散したが、現在約150の仏教宗派が存在している。
天台宗 | |
---|---|
宗祖 | 最澄 |
開宗 | 806年 |
本尊 | 釈迦牟尼仏、阿弥陀如来、薬師如来、観世音菩薩 |
経典 | 法華経、大日経、阿弥陀経 |
教義 | すべての人は成仏できる。 |
総本山 | 比叡山延暦寺 |
念仏 | 南無阿弥陀仏 |
葬儀 | 焼香1回/3回、線香3本 |
備考 | 天台密教を台密と言う。 |
真言宗 | |
---|---|
宗祖 | 空海 |
開宗 | 816年 |
本尊 | 大日如来 |
経典 | 大日経、金剛頂経 |
教義 | 即身成仏 仏と同じように行動し、心を清く保つことで誰もがすぐ仏になれる。 |
総本山 | 高野山金剛峰寺、東寺(教王護国寺) |
念仏 | 南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう) |
葬儀 | 焼香3回、線香3本 |
備考 | 真言密教は東蜜 |
浄土宗 | |
---|---|
宗祖 | 法然(円光大師) |
開宗 | 1175年 |
本尊 | 阿弥陀如来 |
経典 | 観無量寿経、無量寿経、阿弥陀経 |
教義 | 阿弥陀仏を信じて「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽浄土へ行ける「専修念仏」 |
総本山 | 知恩院(華頂山知恩教院大谷寺) |
念仏 | 南無阿弥陀仏 |
葬儀 | 焼香1回/2回 |
備考 |
浄土真宗 | |
---|---|
宗祖 | 親鸞 |
開宗 | |
本尊 | 阿弥陀如来 |
経典 | |
教義 | 「他力本願」 阿弥陀仏を信じれば誰もが極楽浄土へ行けるし救われる。 |
総本山 | |
念仏 | |
葬儀 | |
備考 |
臨済宗 | |
---|---|
宗祖 | 唐の臨済義玄→明庵栄西が日本に広める。 |
開宗 | 鎌倉時代 |
本尊 | 釈迦牟尼仏 |
経典 | 般若心経、大悲呪、観音経 |
教義 | 生まれながらに誰もが備えている純粋な人間性を悟ることで真の自己に気づくことが悟り。座禅を通して師の難問に弟子が答える「禅問答」。この難問を公案と言い、この禅を看話禅と言う。茶道の作法に影響を与える。 |
総本山 | 建仁寺、東福寺、建長寺、円覚寺、南禅寺、国泰寺、大徳寺、妙心寺、泳源寺、向嶽寺、相国寺、佛通寺、興聖寺 |
念仏 | 南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ) |
葬儀 | 抹香は頭におしいただかず、香炉に入れる。回数は1回/3回。線香1本。 |
備考 |
曹洞宗 | |
---|---|
宗祖 | 道元 |
開宗 | |
本尊 | 釈迦牟尼仏 |
経典 | 般若心経、観音経、法華経、修証義、正法眼蔵 |
教義 |
「只管打坐」 雑念をもたずにただひたすら座禅する(禅問答は行わない)。 |
総本山 | 永平寺、諸嶽山総持寺 |
念仏 | 南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ) |
葬儀 | 抹香をつまんで軽く頭に押し頂き、次に押し頂かず2回限り行う。線香1本。 |
備考 |
日蓮宗 | |
---|---|
宗祖 | 日蓮 |
開宗 | |
本尊 | 釈迦牟尼仏 |
経典 | 法華経(妙法蓮華経) |
教義 |
最高の経典を法華経とし、「法華経に帰依します」という意味の題目「南無妙法蓮華経」を唱える。 個人の救済だけでなく、理想国家の実現も説く。 |
総本山 | 山梨県久遠寺 |
念仏 | 南無妙法蓮華経 |
葬儀 | 焼香1回/3回、線香1本。 |
備考 |
華厳宗 | |
---|---|
宗祖 | 杜順(とじゅん)→審祥(しんじょう)によって日本へ伝来。 |
開宗 | 736年 |
本尊 | 盧舎那仏(奈良の大仏) |
経典 | 大方広仏華厳経 |
教義 | |
総本山 | 東大寺 |
念仏 | |
葬儀 | |
備考 | 四法界 |
- 四法界
- 仏の心に映った世界を4つの観点から教える
- 事法界(人間の世界)...森羅万象が個々に存在する「もの」
- 理法界(仏の世界)...全ての事象の本体は虚無な「真如」
- 理事無礙法界(りじむげほっかい)...上記2つが共存している世界
- 事事無礙法界...世界から虚無さえも消え、事象だけが存在する世界
- 密教
Le bouddhisme ésotérique -
4世紀~7世紀にかけてインド本国でヒンドゥー教(L'hindouisme)国教化が進み、そのヒンドゥー教の一部を滅びゆく大乗仏教に取り入れた。
師から弟子へ一対一の伝承。
また仏の悟りは言語では表現できない→曼荼羅。
秘密とは隠されている秘密ではなく、
肉体的な訓練を受けていない者に高度の修行法を教えると危険なので、相手によっては隠す。
だから秘密になる。
あるいは相手に理解する能力が足りないと秘密になってしまう。
という事。
真言密教 | ||||
---|---|---|---|---|
色 | 方位 | 五智如来 | 智慧の説明 | |
青 | 東 | 阿閦 (あしゅく) 如来 |
大円鏡智 (だいえんきょうち) 鏡のように現世の全てのものを差別なく映し出す智慧 |
|
黄 金 |
南 | 宝生 (ほうしょう) 如来 |
平等性智 (びょうどうしょうち) 現世の全てのものが平等であることを知る智慧 |
|
白 | 中央 | 大日如来 | 法界体性智 (ほうかいたいしょうち) 物事の本質を明らかにし、統合させて絶対なる智慧 |
|
赤 | 西 | 阿弥陀如来 | 妙観察智 (みょうかんざっち) 現世の全てのものを正しく見極める智慧 |
|
黒 雑色 五色 |
北 | 不空成就如来 | 成所作智 (じょうそさち) 現世の全てのものを完成させる智慧 |
- 弘法大師空海
-
774年生まれ
真言宗開祖
真言宗→空海が唐の長安で学んだ密教が基礎
密教→bouddhisme ésotérique文字によらない教え、法具や曼荼羅を用いて口頭伝承。
法具→修行時に用いて霊気を増幅させる
曼荼羅→密教の世界観を視覚化したもの
空海は唐留学中に師から渡された法具を、密教普及に相応しい地を決めるために投げる。
→落ちた場所が高野山根本大塔前の松の木
五色
国際仏旗 | ||
---|---|---|
青 | 如来の毛髪の色 | 心乱れず穏やかな状態で力強く生き抜く、定根(じょうこん)・禅定(ぜんじょう)を表す。 |
黄 | 如来の身体の色 | 豊かな姿で確固とした揺るぎない性質、金剛を表す。 |
赤 | 如来の血液の色 | 大いなる慈悲の心で人々を救済することを止まない精進を表す。 |
白 | 如来の仏歯の色 | 清らかな心で諸々の悪行や煩悩の苦しみを清める、清浄(しょうじょう)を表す。 |
樺 橙 |
如来の袈裟の色 | あらゆる侮辱や迫害、誘惑などに耐えて怒らぬ、忍辱(にんにく)を表す。 |
※日本で旧来から用いられている仏旗の色は、青が緑、樺が紫である。 |
三法印
仏教を特徴付ける3つの真理
- 諸行無常
- 全てのものは移り変わる
- 諸法無我
- 全ての物事は自己ならざるものである
- 涅槃静寂
- 悟りの世界は安らぎである
四諦
仏教が説く4つの真理
- 苦諦(くたい)
一切は苦である -
人間は四苦(生老病死)など、逃れることのできない苦を背負っている。
人生とは思い通りにならないもので、これを理解することが仏教の大前提。 - 集諦(じったい)
苦の原因は我執にある -
全てのものは無常であるにも関わらず、私は私のものと思い込んで、執着する。
その我執の為、「苦」が生まれる。 - 滅諦(めったい)
我執を滅すれば安らぎが得られる - 「『苦』の原因は我執である」ということは、「我執を乗り越えなければ『苦』から自由になることが出来る」
- 道諦(どうたい)
苦を滅する道筋がある -
正しい修行を実践すれば「苦」の輪廻から解き放たれ、解脱の状態に至る。
その実践法が「八正道」
八正道
涅槃に至る為の8つの実践徳目
- 正見(慧)
- 正思惟(慧)
- 正語(戒)
- 正業(戒)
- 正命(戒)
- 正精進(定)
- 正念(定)
- 正定(定)
- 正見(しょうけん)
正しい見解を持つ - 仏道修行によって得られる仏の智慧であり、様々な正見があるが、根本となるのは、四諦の真理などを正しく知ることである。
- 正思惟(しょうしゆい)
正しい考えを持つ - 正しく考え判断することであり、出離(離欲)を思惟し無瞋を思惟し、無害(アヒンサー)を思惟することである。
- 正語(しょうご)
正しい言葉を使う - 妄語(嘘)を離れ、綺語(無駄話)を離れ、両舌(仲違いさせる言葉)を離れ、悪口(粗暴な言葉)を離れることである。
- 正業(しょうごう)
正しい行為をする -
殺生を離れ、盗みを離れ、性的行為(特に社会道徳に反する性的関係)を離れることをいう。
この二つは正思惟されたものの実践である。 - 正命(しょうみょう)
正しい生活をする - 殺生などに基づく、道徳に反する職業や仕事はせず、正当な生業を持って生活を営むことである。
- 正精進(しょうしょうじん)
正しい努力をする -
四正勤(ししょうごん)、すなわち
「すでに起こった不善を断ずる」
「未来に起こる不善を起こらないようにする」
「過去に生じた善の増長」
「いまだ生じていない善を生じさせる」
という四つの実践について努力することである。 - 正念
(しょうねん)
正しく意識を集中する - 四念処(身、受、心、法)に注意を向けて、常に今現在の内外の状況に気づいた状態(マインドフルネス)でいることが「正念」である。
- 正定
(しょうじょう)
正しく精神を統一する -
正しい集中力(サマーディ)を完成することである。
この「正定」と「正念」によってはじめて、「正見」が得られるのである。
- 六道
Les six destinées - 衆生がその業の結果として輪廻転生(la réincarnation)する6種の世界
- 死後7日目に「三途の川」を渡る。
- 川のほとりに姥と翁がいて、衣服を剥ぎ取られる。
- 14日目に殺生(le meurtre)の罪が裁かれる。
- 21日目に邪淫の罪(le péché obscène)が裁かれる。
- 28日目に秤で剥ぎ取られた衣服の重さが量られ、それが生前の罪の重さとされる。
- 35日目は水晶の鏡(le miroir de cristal)に生前の行状が映し出される。
- 42日目は秤と鏡で再審査される。
- 49日目に生前の罪の重さが判断され、生まれ変わる先が決まる。
- 三善道
-
天道(le monde des dieux)...天人の住む世界。
寿命が非常に長く、苦しみもほとんど無い。 -
人間道(le monde des humains)...人間の住む世界。
悩み苦しみが多いが、楽しみもある。
唯一自力で仏教に出会い、解脱できる。 -
修羅道(le monde des demi-dieux belliqueux)...阿修羅の住む世界。
終始戦い、苦しみや怒りが絶えないが、苦しみは自ら帰結するところが大きい。 - 三悪道
-
畜生道(le monde des animaux)...牛馬など畜生の世界。
本能ばかりで生きており、使役されるがまま。
Les gens agissent au gré de leur instinct. -
餓鬼道(le monde des faméliques)...餓鬼の世界。
餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、食物を口に入れようとすると火となってしまい、飲食が自由にならず飢えに苦しむ世界。 -
地獄道(le monde des enfers)...閻魔主宰の罪を償わせるための世界。
生前の罪の重さによって、八大地獄に分けられる。 - これら「六道輪廻」からの解脱こそが仏教の目的。
- 四天王
-
東の持国天、南の増長天、西の広目天、北の多聞天の四神。
須弥山(しゅみせん)中腹の四方にて仏法僧を守護する。
須弥山頂上に住む帝釈天に仕え、八部鬼衆を所属支配し、その中腹で共に仏法を守護する。
※須弥山=古代インドの世界観で中心に聳える山。
方角 | 名称 | 梵 | 説明 |
---|---|---|---|
東方 | 持国天 | Dhrtarastra | 乾闥婆、毘舎闍を眷属とする。 |
南方 | 増長天 | Virudhaka | 鳩槃茶、薜茘多を眷属とする。 |
西方 | 広目天 | Virupaksa | 那伽、富單那を眷属とする。 |
北方 | 多聞天 | Vaisravana | 毘沙門天とも呼ぶ。夜叉、羅刹を眷属とする。 |
- 八部鬼衆
-
四天王に仕える鬼神。
八部衆とは異なる。
仁王経合疏 | |||
---|---|---|---|
乾闥婆 | けんだつば | 香陰 | 古代インドのガンダルヴァ。酒や肉を食さず、香りのみを栄養とする。持国天の眷属。 |
毘舎闍 | びしゃじゃ | 啖精気 | 人及び五穀の精気を食す。持国天の眷属。 |
鳩槃茶 | くばんだ | 甕形 | 陰茎が甕の形に似た鬼。人の睡眠を妨げて災難を引き起こす。増長天の眷属。 |
薜茘多 | へいれいた | 餓鬼 | 常に飢餓、涸渇に切迫された鬼。増長天の眷属。 |
那伽 | ナーガ | 龍神 | 水属の王。広目天の眷属。 |
富單那 | ふたんな | 臭餓鬼 | 墓場で排泄物や臓物を食べる悪鬼。広目天の眷属。 |
夜叉 | やしゃ | 勇健鬼 | 地行夜叉、虚空夜叉、天夜叉の3種類がある。多聞天の眷属。 |
羅刹 | らせつ | 捷疾鬼 | 破壊と滅亡を司る神。多聞天の眷属。 |
- 八部衆
-
仏法を守護する八尊の護法善神。
仏教が流布する以前の古代インドの鬼神、戦闘神、音楽神、動物神などが仏教に帰依したもの。
十大弟子と共に釈迦如来の眷属を務める。
天 | てん | Deva | 天部の総称。 天地万物の主宰者。 |
---|---|---|---|
龍 | りゅう | Naga | 竜王などと称される種族。 蛇を神格化した。 水中に棲み、雲や雨をもたらす。 |
夜叉 | やしゃ | Yaksa | 古代インドの悪鬼神。 仏法に帰依し護法善神となった。 |
乾闥婆 | けんだつば | Gandharva | 香を食べるとされる神々の酒ソーマの守護神。 帝釈天の眷属で音楽神。 インド神話におけるガンダルヴァ。 |
阿修羅 | あしゅら | Asura | 古代インドの戦闘神。 中央アジアの太陽神が起源。 通常三面六臂に表す。 |
迦楼羅 | かるら | Garuda | ガルダを前身とする竜を常食する伝説上の鳥。 鳥類の神格化。 |
緊那羅 | きんなら | Kimnara | 音楽神であり、半身半獣の人非人。 人にも獣にも鳥にも該当しない。 帝釈天眷属で美声で歌う。 |
摩睺羅伽 | まごらが | Mahoraga | 帝釈天の眷属で音楽神。 廟神とも言われる。 身体は人間で、首は蛇。 大蛇(ニシキヘビ)を神格化。 |
- 十大弟子
-
釈迦(釈尊)の弟子達の中で主要な10人の弟子。
経典によってメンバーは異なるが、維摩経弟子品の出家順は以下の通り。
舎利弗 | しゃりほつ | 智慧第一 | 『般若心教』では観音菩薩の説法相手。 『阿弥陀経』では仏の説法相手。 |
---|---|---|---|
摩訶目犍連 | まかもっけんれん | 神通第一 | 目連と略される。中国仏教では目連が餓鬼道に落ちた母を救う為に行った供養が盂蘭盆会の起源としている。 |
摩訶迦葉 | まかかしょう | 頭陀第一 | 釈迦の死後、教団を統率し、第一結集では500人の仲間と共に教法編集座長を務めた。 |
須菩提 | しゅぼだい | 解空第一 | 『金剛般若経』等、空を解く大乗経典に登場。 |
富楼那弥多羅尼子 | ふるなみたらにし | 説法第一 | 他の弟子より説法が優れていた。 |
摩訶迦旃延 | まかかせんねん | 論議第一 | 辺地では5人の師しかいなくても授戒する許可を仏から得た。 |
阿那律 | あなりつ | 天眼第一 | 仏の前で居眠りして叱責を受け、眠らない誓いを立て、視力を失ったが、その為かえって真理を見る眼を得た。 |
優波離 | うぱり | 持律第一 | 元理髪師で、階級制度を否定する釈迦により、出家した順に従って貴族出身の比丘の兄弟子とされた。 |
羅睺羅 | らごら | 密行第一 | 釈迦の長男。釈迦の帰郷に際し出家して最初の沙弥(少年僧)となる。そこから、日本では寺院の子弟のことを仏教用語で羅子(らご)と言う。十六羅漢の一人。 |
阿難陀 | あなんだ | 多聞第一 | nandaには歓喜という意味がある。出家して以来、釈迦が死ぬまで25年間、釈迦の付き人をした。第一結集の際、アーナンダの記憶に基づいて編纂された。120歳まで生きた。『無量寿経』等に説法相手として登場。 |
- 十二神将
-
仏教における天部。薬師如来及び薬師経を信仰する者を守護するとされる十二尊の仏尊。
元は夜叉だったが、仏と仏法の真理に降伏し、善神となって仏と信者を守護する。
十二神将は薬師如来の十二の大願に応じて、それぞれが昼夜の十二の時、十二の月、または十二の方角を守る。
その為、中国や日本では十二支が配当された。
また、十二神将にはそれぞれ本地(化身前の本来の姿)の如来・菩薩・明王がある。
各神将がそれぞれ7,000、総計84,000の眷属夜叉を率い、人間の持つ煩悩の数に対応している。
漢名 | 読み | 梵名 | 本地仏 | 十二支 |
---|---|---|---|---|
宮毘羅 大将 |
くびら | Kumbhira | 弥勒菩薩 | 亥 |
伐折羅 大将 金剛力士 |
ばざら | Vajra | 勢至菩薩 | 戌 |
迷企羅 大将 |
めきら | Mihira | 阿弥陀如来 | 酉 |
安底羅 大将 |
あんてら | Andira | 観音菩薩 | 申 |
頞儞羅 大将 |
あにら | Majira | 如意輪観音 | 未 |
珊底羅 大将 |
さんてら | Sandira | 虚空蔵菩薩 | 午 |
因陀羅 大将 |
いんだら | Indra | 地蔵菩薩 | 巳 |
波夷羅 大将 |
はいら | Pajra | 文殊菩薩 | 辰 |
摩虎羅 大将 |
まごら | Makura | 大威徳明王 | 卯 |
真達羅 大将 |
しんだら | Sindura | 普賢菩薩 | 寅 |
招住羅 大将 |
しょうずら | Catura | 大日如来 | 丑 |
毘羯羅 大将 |
びがら | Vikarala | 釈迦如来 | 子 |
- 十六羅漢
- 仏教と蓮の関係性
- C’est en fleur dans la boue, cette fleur est belle.
- 末法思想
- 日本においては1052年を末法元年とする。
- 正法(しょうぼう)
-
釈迦入滅後1,000年間の時期。
仏法と修行者も存在し、悟りを開く者も居る。 - 像法(ぞうぼう)
-
釈迦入滅後1,000年から2,000年間の時期。
仏法と修行者は存在するが悟りを開く者は存在しない。 - 末法
-
釈迦入滅後2,000年以降の時期。
仏法のみが存在し修行者すら存在しない。
末法元年の1052年は貴族の摂関政治が衰え、院政へと向かう時期で、また武士が台頭しつつもあり、治安の乱れも激しく、民衆の不安は増大しつつあった。
鎌倉仏教の勃興
- 比叡山延暦寺焼き討ち
-
1571年、織田信長が対立していた比叡山延暦寺を一斉放火し、僧侶も女子供も見境なく殺傷した。
当時の寺には僧兵がいた。
元々僧だった者が兵士になったり、信徒(croyant)が兵士になったり、寺が兵士を雇ったり(engager)と、そういった経緯で寺に兵士がいた。
理由は2つ。
一つは、寺同士の抗争の際に戦う、いわゆる宗教戦争要員。
もう一つは、当時の寺が担っていた役割に起因する。
中国から文化や最新技術を多く取り入れていた当時は、遣唐使など僧侶がその窓口になることが多かった。
当然、寺にはそれら新商品や新技術が集積されるようになり、当初世の中に新しい商品を発信する場であった寺が、金儲けに走るようになり、庶民は高い物価に悩まされた。
そこで織田信長による楽市楽座で独占禁止(la loi anti-trust)を発布した。
お金がどんどん寺に集まるようになると、それを自衛する手段として僧兵が増えた。
さらに、お金と軍事力を得た寺は政治的権力も有するようになり、信長の規制緩和政策は邪魔でしかなかった。
そんな経緯で信長と延暦寺の対立構造が出来上がった。
さて、1568年に上洛した信長は室町幕府第15代将軍足利義昭の名の下、越前の大名・朝倉義景に降伏を迫る。
しかし、朝倉氏はこれを断固拒否。
信長は激昂し、朝倉氏へ攻め込むがあろうことが同盟国(alliance)で義弟(beau-frère)でもある浅井長政に裏切られ(trahir)、挟み撃ちに。
命からがらなんとか逃げ延びた信長は徳川家康を引き連れて浅井朝倉連合軍へ進撃。
姉川の合戦で敗れた浅井朝倉軍は延暦寺へ逃げ込む。
信長は散々降伏を呼びかけたにも関わらず、聞き入れない浅井朝倉軍に対して痺れを切らし一斉放火。
ちなみに、当時の延暦寺級の大寺院は仏教とは名ばかりの悪徳金融のような暴利を貪っていたため、自業自得とも言える。
- 開山と開基の違い
-
仏教修行の場として閑静な地が望めれたことからしばしば山間に道場や寺院が建立され、山号を有した。
つまり、寺院を開創した僧侶、初代住職を指す語が「開山」。
一方「開基」は、寺院の創始にあたって必要な経済的支援を与えた者を指す。
- お経
-
お釈迦様の教えをまとめたもの。
お釈迦様自身は自らの教えを文字に残すことはしなかったので、弟子たちがお釈迦様の言葉を繰り返し唱え、口伝したものを構成の人達が編纂した。
- 南無
- サンスクリット語の「ナマス(=帰依する)」に漢字をあてたもの。
- 中道
-
快楽と苦行、どちらにも傾かない生き方、考え方。
両極端なものの見方を離れて、バランスの取れた生き方をすることが大切。
八正道に沿った生活を実践すれば中道を歩むことが出来る。
- 仏塔
-
仏塔は釈迦の遺骨を安置した仏教建築。
サンスクリット語のStupaは「高く顕れる」を意味し、仏教の世界観である涅槃の境地を象徴している。
三重塔、五重塔、七重塔、九重塔、基本的に奇数。
修験道
- 概要
-
山へ籠り修行を行うことで悟りを開く事を目的とする山岳信仰。
修験道は飛鳥時代(592年~710年)に役小角が創始したと言われている。
神道と山岳信仰と仏教が習合し、密教の要素も加味されて確立した。 - 教義
-
人は本来、仏と同じ本性を持っているが煩悩という迷いの中で悪い事を行ってしまい、本性を曇らせる。
修行してその曇りを磨き、悪から離れて清らかな本心を発揮する。
- お地蔵さんはなぜ赤い涎掛けをしているのか?
-
C’est un boudhha qui protège les enfants.
On lui met une bavette pour qu’il connaisse de l’odeur des enfants.
- 初詣
- Première visite de l’année dans un sanctuaire ou un temple.
- 御朱印
-
Un tempon de sanctuaire et le temple.
C’est une collection sacrée, donc il vaut mieux prier le sanctuaire ou le temple avant de demander le tampon.
C’est une preuve de la visite et la prière.
- 狛犬
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C’est un animal jumeau légendaire qui défendent le sanctuaire ou le temple.
Au début, leur aspect étaient comme lion.
On a qualifié cet aspect de chien.
- 檀家制度
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Une famille relevant d’un temple bouddhique.
C’est un système que chaque maison apportient à un temple depuis l’époque d’Edo.
On fait un don au temple et ce temple s’occupe de l’enterrement.
儒教
- Confucianisme
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孔子を尊び、目上を敬い、自身を抑え、学問を通して自己を磨け。
513年、日本へ伝来。
飛鳥時代は普及するが平安時代に神仏習合が進み、救済に加えて鎮守の意味も強くなった仏教が隆盛となり、儒教は衰退していく。
鎌倉時代に朱子学(宋学)が広まり、これにより南北朝、室町、安土桃山時代にも儒学が研究され、講義が行われた。
江戸時代には武家層を中心に定着したが、民衆へはあまり広まらなかった。
現在においては、学問と認識されることが多く、宗教としての意識は薄い。
- 七堂伽藍
- 寺院の主要な7つの建物。塔、金堂、講堂、鐘楼、経蔵、僧房、食堂。
神道と仏教 葬儀の違い | ||
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神道 | 仏教 | |
故人の魂は家族の守護神となる。 死後の世界と現世は連続するところに存在し、故人は正月、盆、彼岸、命日には現世とあの世の境界を自由に往来し、子孫の元に帰ると考えられている。 森羅万象に神を見出し、畏怖と親愛の念を込めて信仰。 4~7世紀頃に成立したヤマト政権が各地の民俗信仰をまとめて国家を祀る宗教として位置づけた。 |
概要 |
輪廻転生思想 死後四十九日は中有(三途の川)に留まり、その後生前の行い次第で、地獄か極楽浄土、または再び人間として生まれ変わる。 日本古来の民俗信仰や地方の習慣等を取り入れ、仏教本来の教義とは異なる日本独自の葬送儀礼を行っている。 |
諡(おくりな) 個人の姓名の下に、男性は“大人命”、女性は“刀自命”、または単に“命”等の尊称を付ける。 性別や年齢によって諡は異なる。 料金は無料。 |
諡と戒名 |
戒名(法名、法号) 本来は受戒した者が、その戒律を守る証として授かる。 日本では個人を仏門に入れるために戒名を授ける風習が生まれた。 戒名料がかかる。 |
御霊璽を祖霊舎に安置して、故人はその家の守護神となり、子孫を守る。 御霊璽は御霊代とも言われる故人の御霊が宿る依代。 神棚と同じように米、酒、塩、水を土器に盛り三方や折敷に乗せお供えする。 祖霊舎の位置が神棚より低くなるようにする。 地方独自の祖霊舎の祀り方もある。 |
家庭での祀り方と死生観 |
宗派により祀り方が違う。 位牌に戒名を彫り込み仏壇に安置して、礼拝の対象とする。 位牌の起源は、中国の儒教の死者の官位姓名を記した「位版」だと言われる。 日本には鎌倉時代に伝えられ、日本古来の依代の習俗と習合した。 |
葬祭会館、自宅、公民館等 神の鎮まる聖域である為、神社の境内で葬祭を行うことは無い。 |
葬儀施設 | 葬祭会館、自宅、寺院、公民館等 |
神道式霊園や神道式の墓石もあるが拘らない。 | 墓所/墓石 | 霊園、寺院墓地 |
玉串奉奠。 玉串に自分の思いを託し、御霊に捧げる。 一般に二礼二拍手一拝。 拍手は音を立てない忍手で行う。 数珠は使わない。 地方によって異なる拝礼方法がある。 |
遺族、弔問の作法 |
数珠を使い焼香、抹香が一般的だが宗派により異なる。 立礼焼香、座礼、回し焼香などがある。 |
帰幽(死去)した本人の経歴などを入れた祭詞を奏上して幽界(かくりょ)に送る。 | 祭詞とお経 | お経(宗派により内容が異なる。) |
- 土葬
L'enterrement -
日本の法律上、土葬は禁止されていない。
ただし、実施するには自治体の許可が必要。
土葬が難しい理由は、狭い国土と感染症リスク(un risque de la maladie infectieuse)と衛生面(L'hygiène publique)。
- 墓事情
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一般的なお墓は1.5㎡で、納骨室(カロート)には10名分の骨壷を収納できる。
墓石一つ約150万円で、維持費(l'entretien)は年間2,000円から25,000円程度。
- 葬儀
- ご逝去→葬儀社手配→遺体搬出と葬儀の打ち合わせ→遺体を清めて化粧や着替えを施す→通夜(18:00~19:00開始/多くの参列者)→葬式・告別式、読経・焼香→火葬(1~2時間)→初七日法要...仏教では亡くなって49日間は7日毎に計7回、極楽浄土へ行けるかどうかの判決が下される。その間、魂は成仏する事なく彷徨っている為、初七日に故人の法要を行い極楽に行けるよう成仏を願う→49日後に納骨。
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死亡届は火葬(埋葬)許可証を貰う為に必ず提出する。
提出期限は死亡した日、又は死亡を知った日から7日以内。
国外で亡くなった場合は3ヶ月以内。
提出が遅れたら5万円以下の過料。
故人の死亡地、本籍地、または届出人の所在地の役所。
通夜は、焼香や蝋燭の火を絶やさず夜通しで個人を見守る時間。
現在は18:00~19:00から2時間程。 - 初七日法要までの間に行ってはいけない事
- 神社への参拝、正月飾り、結婚式、旅行、引っ越し、お中元やお歳暮。
古事記と日本書紀 | ||
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古事記 | 日本書紀 | |
和銅5年(712年) | 成立 | 養老4年(720年) |
全3巻(上・中・下) | 巻数 | 全30巻+系図1巻(系図は現存しない) |
以前に存在した歴史書「帝紀」「旧辞」の内容を暗記した稗田阿礼の語りを太安万侶が記録、編纂。 | 編者 | 川島皇子や舎人親王ら6人の皇族と6人の官僚を筆頭に、多くの人びとが制作に関与。 |
天皇家の私的な歴史書 | 性格 | 国外向けの日本の正史 |
神代から33代・推古天皇までの時代を記す。国内の豪族たちに、天皇家の権威を示している。 | 特徴 | 神代から41代・持統天皇までの時代を記す。外国へのアピールを目的とし、中立性を保つため「別伝」を列挙している。 |
- 泉涌寺
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皇室の菩提寺。
天皇家は代々神社との繋がりが深いはずなのになぜ菩提寺なのか?
天皇が皇位を次の天皇に譲ると上皇となり、上皇が出家すると法皇になる。
出家しているので没すれば寺で弔われる。
その上当時は寺も神社も同等のものとして見られていた。
- 擬宝珠(ぎぼし、ぎぼうしゅ)
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仏教における宝珠が由来。
宝珠は釈迦の骨壺(舎利壺)の形や龍神の頭の中から出てきた珠とも言われ、地蔵菩薩などの仏像が掌に乗せている。
この宝珠を模した形から、擬似の宝珠と言う意味で擬宝珠と名付けられた。
もう一つは、ネギの持つ独特な臭気が魔除けにもなると信じられていた説。
葱帽子→葱坊主→擬宝珠となった。
また、雨水などによる木材(柱)の腐食(la corrosion)を抑える役割も果たす。
- 達磨
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仏教の一派である禅宗開祖の達磨の坐禅姿を模した置物、または玩具。
現在は宗教、宗派を越えて縁起物として広く親しまれている。
赤色の張子で制作。
目は空白→祈願→叶う→目を書く。
達磨大師=中国禅宗の開祖でインド人仏教僧。
仏教と神道 | ||
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仏教 | 神道 | |
仏陀、その他仏 | 崇拝対象 | 八百万の神 |
三蔵 「経」...教義をまとめたもの 「律」...修行方法や戒律に関するもの 「論」...「経」を注釈したもの |
経典 | 無し |
僧侶 和尚...教えを説くお坊さん 住職...お寺住み込みのお坊さん |
聖職者 |
神主 巫女 |
お寺 仏陀の教えを信じて「悟り」を目指す人が暮らす場であり、一般の人に仏教の教えを説く場 「伽藍」...礼拝の対象を祀る所 「僧房」...お坊さんたちの住居 |
宗教施設 |
神社 元々は大木や山などの自然物に神が降りるとされていたので、大規模なものは無かった。 |
合掌 | 参拝方法 |
二礼二拍手一礼 今までの穢れを清めて心機一転の決意表明をする |
法衣の色
階級 | 色 | ||
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1級 | 大僧正 | だいそうじょう | 緋色 |
2級 | 権大僧正 | ごんのだいそうじょう | 紫色 |
3級 | 中僧正 | ちゅうそうじょう | |
4級 | 権中僧正 | ごんのちゅうそうじょう | |
5級 | 少僧正 | しょうそうじょう | |
6級 | 権少僧正 | ごんのしょうそうじょう | |
7級 | 大僧都 | だいそうづ | 緑色 |
8級 | 権大僧都 | ごんのだいそうづ | |
9級 | 中僧都 | ちゅうそうづ | |
10級 | 権中僧都 | ごんのちゅうそうづ | |
11級 | 少僧都 | しょうそうづ | |
12級 | 権少僧都 | ごんのしょうそうづ | |
13級 | 大律師 | だいりっし | 水色 |
14級 | 律師 | りっし | |
15級 | 権律師 | ごんのりっし | |
16級 | 教師試補 | きょうししほ | 茶色 |
階級に関係無く | |||
修行中 | 黒色 |
- 卒塔婆
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語源は古代インドの仏塔「ストゥーパ」。
納骨、年忌法要、お盆、お彼岸などで用意。
目的- 個人や先祖を供養する
- 卒塔婆を立てる事が自身の善行に繋がる
1本約2,000円~10,000円
- 年忌法要が3と7の周期で行われる理由
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「3」=2を超える。
「有無」「勝負(la victoire ou la défaite)」「損得(le profit ou la perte)」。
両極端な考えを離れ、中道(le juste milieu)の生き方をする。 -
「7」=御釈迦様が生まれた時7歩歩いた。
私たちの迷いの姿である「六道」の世界を越えて悟りに至る。
- 四十九日
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仏の世界において、人は死後「中有(中陰)」という暗黒世界を49日間さまよう。
死者は7日毎に7回の裁きを受けるため、49日間、自分独りだけいる心細さ、人恋しさなどの耐え難さを推量する。
- 数珠
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仏を礼拝する際に手に掛け、真言・念仏の回数を数える際に用いる。
古代インド(L'Inde antique)のバラモン教(le brahmanisme)が起源で、それが釈迦によって用いられ、中国に伝わり、仏教伝来とともに日本に伝わる。
基本的な玉の数は煩悩(la concupiscence)と同じ108つ。
今は半数や1/3など様々。
- 新興宗教
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戦後、天皇が神ではなく人間として認識し直された為、人々の心の拠り所として新興宗教が600も興った。
現在日本には342の新興宗教がある。