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漫画

目次

• 漫画とアニメ
  • ジブリ
• 結婚
• 学業
• 日本アルプス
• 迷信

漫画とアニメ

漫画

日本最古の漫画は、12~13世紀に複数の作者によって制作された『鳥獣人物戯画』とされている。
18~19世紀にかけて浮世絵師の葛飾北斎が制作した絵手本である『北斎漫画』もまた漫画の原型。 さらに19世紀には新聞の風刺画が漫画として大衆に浸透。
1862年、イギリス人画家チャールズ・ワーグマン(Charles Wirgman)が創刊したJapan Punchが日本初の漫画雑誌とされる→ポンチ絵。
明治期の義務教育課程の普及で国民の識字率増加。
1930年頃に誕生した紙芝居は、当時駄菓子を売る為に人を集める道具だったが、絵画と物語を組み合わせた子供向けメディアとして発展。
また紙芝居を小説化し、紙芝居らしさを残すように挿絵の割合が多い絵物語も多く発表された→劇画。
関西では赤本(※)漫画が闇市などで取り引きされ普及。
※赤本…少年向きの本。表紙が赤い。内容は低俗。書き下ろしメイン。同人誌の原点。
1947年に手塚治虫が発表した『新宝島』が赤本漫画として大ヒットし、後世の漫画技術や表現の基礎となった。
戦後、日常を失ってしまった時だからこそ人々は娯楽を求めた。
GHQ統治下にあって出版活動が制限される中、子供向け娯楽は思想性が薄いという判断から自由を得た数少ない文化的表現媒体となって爆発的な広がりと文化的成熟を見せた。
高度成長期には1週間という単位が馴染み週刊誌が誕生。
この時、読み切りから定期購読へシフト。

漫画とアメコミの違い

アメコミは、ライター・インカー・カラリスト・レタラーなど、細かく分業する。
漫画は、原作と作画くらいで、あとは個人がストーリー、作画、演出、キャラクターデザインまでこなすのが一般的。

アニメ

日本で初めてアニメ作品が作られたのは1917年。
1906年、ジャーナリストで画家のイギリス人James Stuart Blacktonがアメリカで世界初となるアニメ作品を完成させてから11年後の出来事。
当時日本は第一次世界大戦の戦争景気で経済が潤い、海外の文化を貪欲に吸収した時代。
映画がすでに娯楽だった時代、下川凹天(しもかわ へこてん)、幸内純一(こううち じゅんいち)、北山清太郎(きたやま せいたろう)の3人が同じ年に相次いでアニメ作品を制作した。
お互いに協力しあったわけではなく、それぞれが独自に海外作品を研究して制作。
関東大震災によって、被害を受けた映画業界。
大藤信郎(Noburou)は、浅草出身のアニメ監督で、千代紙を切り抜いて表現する貼り絵手法を確立。
氏は1928年、アメリカでトーキーのアニメ映画「蒸気船ウィリー」が公開されたのに刺激を受けて翌1929年にレコード式トーキーを用いた「黒ニャゴ」が完成。
日本初のトーキーアニメで上映時間は3分程度。
1939年、映画法が制定され、脚本の事前検閲、外国映画の上映制限、年少者の観覧制限などが行われた。
政府予算で子供用教育アニメが制作された。
日本の真珠湾攻撃を題材にした長編漫画映画などの軍国作品が制作された。
1956年東洋のDisneyを目指そうと東映アニメーション発足。
アメリカの制作システムを導入。
それまでは個人プロダクションが主流で長編作品等を定期的に制作することが困難だった。
東映は役割分担を明確にした分業制を採用し1958年に長編第1作「白蛇伝」を完成。
1963年1月、日本初の連続長編アニメ「鉄腕アトム」の放映開始。
当時、毎週30分枠のシリーズアニメを制作すると1,000万円必要とされた。
対してアメリカアニメの購入は30万円程度だった。
手塚治虫が採用した方法は、

• リミテッドアニメ…1秒12枚必要なところを8枚に間引く。
• バンクシステム…同じような動きをストックして何度も使い回す。
• 止め絵…全く動かない絵
• 口パク…キャラクターの口だけを動かす。

これらにより、制作費を150万円にまで圧縮。
その後、キャラクター商品の版権使用料や、海外にフィルムをセールスした収益により1本の放送料を55万円に設定し契約した。
実写ドラマの制作費60万円に合わせた放送料金設定だった。
最高視聴率40%で、平均視聴率30%を記録し、放送は4年間に渡り全193話に及ぶ大ヒットアニメとなった。
「鉄腕アトム」の成功に注目したテレビ局やアニメプロダクションが続々とテレビアニメに参入。
1960年代に第1次国産アニメブーム到来。
60年代末から70年代前半にかけてスポーツアニメが人気に。
中でも「巨人の星」は父の夢を継いで巨人軍のエースを目指す少年が幾多の試練を乗り越えていく姿は、高度経済成長期の時代背景とも重なり、多くの共感を得ていく。
「タイガーマスク」「あしたのジョー」少女向けに「アタックNo.1」など。
1972年12月に「マジンガーZ」が放映。
ここから巨大ロボットブームが始まる。
1980年代には「週刊少年ジャンプ」連載の人気漫画が次々とアニメ化。
「Dr.スランプアラレちゃん」「キン肉マン」「キャプテン翼」「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」
1984年、宮崎駿が監督・原作・脚本・絵コンテを手掛けた「風の谷のナウシカ」が公開。
プロデューサーは東映時代からの盟友である高畑勲。
エコロジカルなテーマがアニメファン以外の客層を取り込み、52日間の上映で91万5,000人を動員。
ナウシカのヒットを機に、宮崎&高畑コンビの作品を世に送るために徳間書店が出資し、スタジオジブリが設立された。
「千と千尋の神隠し」が第52回ベルリン国際映画祭で最高賞に当たる金熊賞に輝いた。
アニメでは初の受賞。
「タイタニック」が「もののけ姫」を抜いた記録(観客動員数、興行収入)を抜き変える。
観客動員数2,350万人、興行収入304億円以上を記録。

ジブリ作品
Ghibli

有名アニメ作品

Club Dorothée

1987年9月2日〜1997年8月30日まで、フランス民間テレビ局TF1にて放送された番組。
パリ出身の歌手で女優のDorothée(本名Frédérique Hoschédé)が日本のアニメを紹介する内容で、子供達の評判は良かったが、親世代からは、ドラゴンボールや聖闘士星矢などのバトルアニメが暴力的であると批判。
『北斗の拳』の登場で一挙に暴力アニメ排斥運動が盛り上がり、1997年をもって番組は終了。

荒木飛呂彦

1960年杜の都仙台市生まれ。
幼少期から漫画制作。
荒木氏は何度も週刊少年ジャンプに投稿を続けたが選外佳作(l'oeuvre primée hors-sélection)止まり。
高校卒業後、仙台デザイン専門学校に入学。
在学中も投稿を続け、1981年に週刊少年ジャンプで読切作品「武装ポーカー」が掲載され漫画家デビュー。

キャラクター作り

映画好きだった氏はヒッチコック監督のインタビュー本の中に「ハリウッド俳優は演技するキャラクターの詳細なプロフィールを役作りの為に作成している」と知る。
氏は自らが作り出すキャラクター全員に細かいシートを開発し、幼少期の体験から好きな食べ物、ペット、血液型まで、60以上の項目を埋めた。

新連載から東京へ

1983年「魔少年ビーティー」で連載を勝ち取る。
1984年に東京へ移住。
新連載「バオー来訪者」を描く。
東京は様々なインスピレーションを得るには最適。 画家のフランクフラゼッタや高級ブランドのベルサーチ、深夜にテレビで見たマドンナやアフリカ系アメリカ人のラップミュージック、あらゆる美を貪欲に自分の作品に取り入れた。

イタリアからジョジョへ

しかしまだ何か足りないと感じ、イタリアへ飛ぶ。
そしてローマのボルゲーゼ美術館(La galerie Borghèse)でBernini作「アポロンとダフネ(Apollon et Daphné)」と出会う。
彫刻全体があり得ない角度で捩れ、曲がり、極限まで引き伸ばされた肉体は、躍動感と官能的な美しさに満ちていた。
後の「ジョジョ立ち」の原点。
1987年に「ジョジョの奇妙な冒険」の連載開始。
第3部で自身の情熱の一つである「旅」に基づいてストーリー構造を組み立てた。
同時にスタンドバトルシステムを導入。
このアイデアはバトル漫画の歴史を変えるほどの分岐点となり、戦いは単なる力のぶつかり合いから、知恵と戦略を駆使する心理戦へと進化。
そして何よりスタンドは持ち主の精神性を色濃く反映する。
キャラクターの内面を可視化するというこの発明こそが「ジョジョ」の魅力となった。

ルーヴルへの道

漫画はアニメや映画よりも絵画や彫刻に近い芸術だと考えている。
サイン会で9歳の女の子が彼の絵を見て「絵がとっても上手ですね」と言った。
自分の漫画を読んだことがない人でも、純粋にアートとして評価してくれる人がいることに気付く。
自分の原画だけをパリで展示する計画。
彼の漫画があまり知られていない一方で絵画などの芸術面で理解が深い。
日本ではジョジョ=漫画というイメージがあった為、先入観のないアート界の人々に自分の作品を問いたかった。
2003年に開催し、大成功。
2005年、週刊少年ジャンプから月刊誌であるウルトラジャンプへ移る。
より時間をかけて一枚一枚のアートと向かい合いたい。
第7部は全漫画ランキング2位。
2009年、ルーヴル美術館がコミックアートをテーマにした企画展を開催するにあたり、フランスとベルギーから4人、日本から荒木先生1人が選出。
彼の作品がベルニーニやミケランジェロと言った西洋美術の歴史と深く対話し続けてきたから。
奇抜なスタイルや予測不能なストーリーだけでなく、その根底にどんな逆境にも負けない人間の精神を称える「人間讃歌」という力強い男のテーマがある。

ポケモンの名前